セクハラという言葉から、身体に触られる場面だけを思い浮かべるかもしれません。しかし、職場で繰り返される性的な話題や、応じなかった後の仕事上の扱いも、相談で伝えたい出来事です。
この記事の要点
- 厚生労働省は職場のセクハラを対価型と環境型に分けて説明しています
- 身体への接触に限らず、性的な発言なども検討の対象になります
- 分類を確定する前でも、困っている言動と影響を相談できます
- きろくねのメモには、言動・その場の状況・仕事への影響を分けて残せます
目次(6項目)
対価型と環境型は、どこが違う?
厚生労働省は、性的な言動への対応に伴う不利益という側面の「対価型」と、性的な言動によって働く環境が害される「環境型」を説明しています。名称を覚えるより、言動の後に何が起き、仕事にどんな支障があったかを整理すると相談しやすくなります。
類型 | 見るポイント | 記録する手がかり |
|---|---|---|
対価型 | 拒否や抵抗の後に労働条件で不利益を受けたか | 言動、対応、その後の異動・評価等の通知と説明 |
環境型 | 性的な言動が働く環境にどんな支障を生んだか | 場面、繰り返し、仕事を避けざるを得なくなった経緯など |
この表は個別の出来事を自動的に認定するチェックリストではありません。また、二つの欄が完全に分かれていなくても、困っていることを相談できます。
触られていない、同性だから、とは限らない
公式の説明では、性的な発言や行動が対象となり、異性間だけでなく同性間も含まれます。取引先や顧客も行為者になり得ます。「上司から女性への接触だけ」と狭く考えず、自分の意に反する言動や、その後の状況を具体的に残してください。
一方、言葉の一覧に当てはめただけで結論を出すこともできません。本人が望んだやり取りか、仕事との関係、言動が行われた状況なども含めて確認されます。
架空例:会議で性的な話題を振られたとき
次は、説明のために作成した架空例です。
- 日時・場所:9月4日、朝の打ち合わせ、会議室。
- 言動:担当案件の報告中に、先輩から私生活に関する性的な質問を受けた。具体的な言葉は、今書ける範囲で別のメモに残した。
- 自分の対応:言葉が出ず、話題を業務に戻そうとした。
- 周囲:同僚が二人いた。誰が聞いていたかは未確認。
- 影響:次の会議で報告することが怖くなり、上司に報告方法の変更を相談した。
- 希望:同じ話題を繰り返さないようにしてほしい。詳しい内容を誰まで共有するか先に知りたい。
具体的な言葉を書くのがつらい日は、無理に全文を再現する必要はありません。「性的な質問をされた。詳細は今は書けない」と置いておき、話せる範囲を相談先に伝えることもできます。
拒否できなかったことも、そのまま相談する
笑ってやり過ごした、黙ってしまった、仕事の関係で断れなかった。その対応を取り繕わず、どうしてそうしたかを自分の言葉で残します。自分の対応だけで「相談できない」と決める必要はありません。社内窓口のほか、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)で相談先を確認できます。
見せる資料には第三者の個人情報が含まれることがあります。相手や職場全体へ一斉送信する前に、誰に何を見せる必要があるかを相談してください。
きろくねで、言葉と影響を別々に残す
きろくねのメモに「言われたこと」「自分の対応」「その後の仕事への影響」と書き分け、ケースにまとめて見返せます。残して差し支えない写真や、自分で録音した音声も記録として整理できます。文字起こしを使う場合は、対応端末・言語などの条件があり、音声と照らして内容を確認します。
きろくねをApp Storeで見る。相談前の整理には自分のための整理の仕方も参考になります。
きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。
よくある質問
- セクハラの種類は二つだけですか?
厚生労働省は職場のセクハラを対価型と環境型で説明しています。行動を二種類に限定するという意味ではなく、さまざまな言動とその影響を捉える区分です。
- 同性同士や男性への言動も相談できますか?
はい。公式の説明では同性間も含まれ、男性も女性も被害者になり得ます。性別だけで対象外と決めず、具体的な状況を窓口に伝えてください。
- その場では笑ってしまいました。何を書けばよいですか?
笑ってやり過ごしたこと、仕事の関係で断りづらかったことなどを、そのまま残せます。後から自分の対応を書き換える必要はありません。
出典・参考
きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。危険やつらさが強いときは、公的な窓口や専門家への相談もご検討ください。