文字起こしが違って見えたら、元の録音を残したまま該当部分を聞き返し、確かめた内容を別の補足メモに書きます。読んで自然な文になるよう直すことと、実際に何と言っているか確認することは別です。聞き取れないところは、不明のままで構いません。

この記事の要点

  • 文字起こしは録音から作られた補助情報で、原音の代わりにはなりません。
  • 聞き取れたことと推測を分け、該当位置・確認日・不明点を補足メモに残します。
  • きろくねでは本人メモを編集できますが、文字起こし本文を直接書き換える機能はありません。
目次(8項目)
  1. 原音・文字起こし・自分の記憶を分ける
  2. 一か所ずつ確認する手順
  3. 訂正メモの架空例
  4. 「言っていない」と表示された箇所を確認する例
  5. 引用と要約を混ぜない
  6. きろくねでは本人メモへ補足する
  7. 記録を相談へつなげるとき
  8. よくある質問

原音・文字起こし・自分の記憶を分ける

録音はそのとき保存した音声、文字起こしはその音声をもとに作られたテキストです。さらに「その場ではこう聞こえた」という自分の記憶もあります。この三つが一致するとは限りません。録音にも、声の重なり、途中からの収録、周囲の音などによる限界があります。

たとえば文字では「来週」となっていても、音声では「再来週」と聞こえることがあります。逆に、記憶では強く言い切られた印象があっても、最後の言葉が録音に入っていない場合もあります。どれかを無理に他へ合わせず、違いそのものを記しておきます。

一か所ずつ確認する手順

  1. どの録音か分かるよう、記録のタイトルや出来事の日を確かめる。
  2. 違いが気になる箇所の少し前から再生し、前後の発言も聞く。
  3. 録音の何分何秒ごろか、探し直せる目安を控える。
  4. 表示された文字、聞き取れた言葉、聞き取れなかった部分を分けて書く。
  5. 確認した日を添え、今回はどこまで確認したかを残す。

全文を一度で確認する必要はありません。人名、日時、数字、否定の言葉など、相談で説明する予定の箇所から選べます。何度聞いても判別できないときは、回数を増やして結論を出すより「聞き取り不明」と置いておきます。負担を感じたら再生を止めてください。

訂正メモの架空例

以下は編集部が作成した架空の記入例です。アプリの専用入力欄ではなく、自由なメモに書く項目です。

  • 対象:11月6日の打ち合わせの録音。
  • 位置:開始から3分10秒ごろ。締め切りを話している部分。
  • 文字起こしの表示:「来週までにお願いします」。
  • 原音の確認:「再来週までにお願いします」と聞こえる。
  • 確認日:11月8日。自分で前後を含めて再生した。
  • 残る不明点:その直前の返事は声が重なっていて判別できない。

声だけで話者を確かめられない場合は、「上司の発言」と決めず「話者は未確認」とします。誰が話したかの推定と、言葉の確認も別々の作業です。自分の記憶を補うなら「その場では自分に向けた発言と受け取った」と、受け止めであることを添えます。

「言っていない」と表示された箇所を確認する例

もう一つの架空例として、文字起こしに「変更していない」と出ているのに、自分には「変更していい」と聞こえる場面を考えます。この違いは、表記を読みやすく整えるだけでは済みません。まず否定の部分を含む前後を再生し、話し終わりまで録音されているかを確かめます。

音声でも判断が分かれるなら、「表示は変更していない。自分には変更していいとも聞こえるが、末尾が不鮮明で確認できない」と書きます。候補を並べることは、どちらかを確定した訂正とは違います。都合のよい解釈を選ばず、相談時にはこの不明点ごと伝えます。

確認を頼む相手がいる場合も、最初から自分の結論を示して同意を求めるより、どの箇所が不明かを説明する形にできます。録音の共有を伴うなら、内容を渡す必要があるか、相手や範囲は適切かを先に考えます。確認のために外部の文字起こしサービスへ原音を送ることを、この記事では前提にしていません。

補足メモが増えたら、「確認済みの言葉」「候補のままの言葉」を見出しで分けると、読む人が確定の度合いを取り違えにくくなります。これは正確さを保証する印ではなく、自分が確認した範囲を示すための区別です。

引用と要約を混ぜない

確認できた言葉を引用する場合、言いよどみや省略を勝手に補って断定の強い文に変えないようにします。説明用に短くするなら「締め切りを再来週と伝える趣旨」と、要約であることを明示します。空白を推測でつないだ文章を、原音どおりの発言として示さないことが大切です。

相談用の一枚へ書くときは、短い要点の横に「録音3分10秒ごろ、11月8日に本人が確認」と戻り先を添えます。文字だけを渡す場合も、補足メモを付けていることを伝えます。資料としてどう評価されるかは、内容や状況によって異なり、この書き方で法的な効力が決まるものではありません。

きろくねでは本人メモへ補足する

きろくねの記録詳細では、録音と、録音から作られた文字起こしを確認できます。「編集」で変更できるのはタイトル・本人のメモ・気持ち・まとめ先ケースで、文字起こし本文を直接書き換える機能ではありません。元のメモを残して、その下に「文字起こしの補足」と確認内容を追記する形が使えます。この編集で録音そのものは書き換わりません。

アプリはiOS 17以降のiPhoneに対応しています。ただし、端末内の文字起こしは、端末・OS・言語の対応と音声認識の許可がそろう場合に利用できます。iOS 26以降では対応状況に応じた処理を使いますが、OSの版だけで利用できると決まるわけではありません。アプリに利用できない旨が表示された場合も、文字起こしのために音声を自動で外部へ送ることはありません。保存した録音を再生し、短い本人メモを添える方法は残ります。

記録を相談へつなげるとき

厚生労働省の「悩んでいる方」は、職場で起きた言動について日時や場所などを記録することを案内しています。上の照合・追記の方法は、そのために元の情報を見失わないようにする編集部の提案です。

日付や後からの補足をまとめたい場合は後から書くメモの整理も参考になります。iPhone版きろくねでは、録音と自分の言葉を分けて残し、一つの箇所から確認を続けられます。

きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。

よくある質問

文字起こしを直すと録音も変わりますか?

きろくねには文字起こし本文を直接編集する機能はありません。本人メモへ補足を追加する編集では、録音や文字起こしは書き換わりません。

何度聞いても分からない言葉はどうしますか?

「聞き取り不明」とし、位置と確認日を残します。文脈から推測した言葉を原音どおりの引用として補わないようにします。

文字起こしだけを相談に持っていってもよいですか?

まず受け付ける形式を相談先に確認してください。文字起こしには誤りや省略があり得るため、補足の有無と対応する録音の位置も分かるようにします。

すべてのiPhoneで文字起こしできますか?

端末・OS・言語の対応や権限により異なります。アプリ内の対応状況を確認し、利用できない場合は原音と本人メモで記録を見返してください。

出典・参考

録音の文字起こしが違っていたら?原音を確かめて補足する方法のイメージ

きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。危険やつらさが強いときは、公的な窓口や専門家への相談もご検討ください。