「記録は手書きの方がいいと聞いた」「でもスマホの方が早い」。どちらにするかで迷って、書き始められないことがあります。この記事では、何を書くかではなく、どこに書くか(媒体)を比べます。書く中身は時系列メモの書き方にまとめています。
この記事の要点
- 手書き・自分宛メール・スマホは、どれか一つに決めなくて構いません。
- その場で書きやすい手段で書き、その日のうちに日付順の一か所へ寄せます。
- 手書きのページは当日中に写真に撮り、原本のノートも手元に残します。
- どの形の記録がどう扱われるかは、相談先や専門家が個別の事情をもとに判断します。
目次(6項目)
結論:一つに決めなくていい。その日のうちに一か所へ寄せる
厚生労働省の「あかるい職場応援団」は、いつ・どこで・誰が・何をしたのかを「メモや録音など最適な方法で」記録するよう案内しています。書く道具が決められているわけではありません。
大切なのは、ばらばらの記録を後から日付順に並べられることです。その場では書きやすいもので書き、その日のうちに一か所へ寄せる。この順番にしておけば、ノートの日とスマホの日が混ざっても、流れが途切れません。
どの形の記録が相談や手続きでどう扱われるかは、相談先や弁護士などが個別の事情をもとに判断することです。この記事では、媒体に優劣はつけません。
三つの媒体の向き・不向き
手書きのノート・手帳
電源がいらず、画面を人に見られる心配もなく、その場ですぐ書けます。手を動かすと気持ちが少し落ち着く、という人もいます。
一方で、時刻は自分で書いた分しか残りません。持ち歩けない日もあれば、なくすこともあります。録音や写真とは置き場所が分かれます。次の四つを決めておくと、後から読みやすくなります。
- 毎回、先頭に日付と時刻を書く(分からなければ「午後」「会議のあと」など)
- ページを破らず、書き損じは消さずに線を引いて残す
- 後日書き足したときは、書き足した日付を添える
- こすると消えるペンではなく、消えにくいペンで書く
自分宛のメール
書いた内容を自分のアドレスに送る方法です。送信日時が残り、件名の先頭に「0914 週次会議」のように日付を入れておけば、件名で並べやすくなります。送ったメールの本文は、あとから書き換えにくいのも特徴です。
ただし、日時の表示のされ方はメールのサービスやアプリによって異なります。会社のメールアドレスは会社が管理しているため、私的な記録には向かないことがあります。反対に、業務の情報を私用のアドレスへ送ると社内の決まりに触れる場合もあるので、送る前に確かめてください。
スマホのメモ・記録アプリ
書いた日時が自動で残り、写真や録音と同じ場所に置けます。ロックをかけられるアプリもあります。気をつけたいのは、端末を人に見られるおそれ、通知やウィジェットに内容が表示されないか、機種変更やなくしたときにどうなるか、の三つです。
迷ったときは、三つの問いで選ぶ
- その場で、すぐ書けるのはどれか。スマホを出しにくい職場なら手帳、外回りが多いならスマホ、というように、書き始めるまでの手間が少ないものを選びます。
- 人に見られるおそれがあるのはどこか。机に置いたままのノート、共用のパソコン、家族と共有している端末など、見られると困る場所は避けます。
- なくしたとき、何が残るか。ノートは一冊なくすとまとめて失われます。スマホの中だけの記録も、故障や機種変更で読めなくなることがあります。大事なページは写真などで控えを作り、一か所だけに頼らないようにします。
組み合わせ方:手書き→当日中に写真→日付順の一か所へ
- その場では、書ける手段で書く。会議中なら手帳、帰りの電車ならスマホ、と場面で変えて構いません。
- その日のうちに、手書きのページを写真に撮る。日付を書いた部分も入るようにページ全体を写します。影が入らない明るい場所で、複数ページなら順番どおりに撮ります。
- 写真と要点を、日付順の一か所に置く。写真アプリのアルバムでも、記録アプリでも、自分宛メールでも構いません。「原本:青いノートの12ページ」のように、元のノートの場所も書いておきます。
- 原本のノートは捨てない。写真に撮ったあとも、元のノートはそのまま保管します。
写真の撮影日時は、書いた日時そのものではありません。数日後にまとめて撮ったときは「9月16日に撮影。書いたのは9月14日の夜」のように分けて残すと、後から読み違えずに済みます。
きろくねで一か所にまとめるなら
きろくねでは、アプリ内のカメラやライブラリから写真を記録に加えられます。手書きのページを撮ったら、「いつのこと」を出来事の日時に合わせ、「何があったか」の欄に要点を一行足しておくと、ケースの中で録音やメモと一緒に日付順に並びます。きろくねに残した日時は「記録した日時」として別に表示されるので、後から撮った写真でも区別がつきます。
記録は端末の中に保存され、アプリ独自のクラウド同期はありません(iPhoneのバックアップを有効にしている場合は、その中に含まれます)。設定で、開くときにFace IDやパスコードの確認を求められます。無料で作れるケースは1つで、記録の数に上限はありません。うまく書けない日は三行だけの残し方から始めても十分です。
記録の扱いを法的な面から確かめたいときは、法テラスで法制度や相談窓口の案内を受けられます。職場のことは、都道府県労働局などの総合労働相談コーナーでも無料で相談できます。
きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。
よくある質問
- その日に書けなかったら、後から書いてもいいですか?
書けます。出来事が起きた日と、思い出して書いた日を分けて残してください。今日思い出した内容を、当日に書いたように見せないことが大切です。詳しくはパワハラのメモを後から書くときの整理にあります。
- 日付があいまいなときは、どう書けばいいですか?
「9月中旬」「月末の会議のあと」など、分かる範囲で書き、推測で埋めないようにします。予定表やメールで日付を確かめられたら、「メールで確認」のように確認元と、確かめた日を添えて書き足します。
- 手書きのページを写真で残すコツはありますか?
日付を書いた部分が入るようにページ全体を撮り、影が入らない明るい場所で、複数ページは順番どおりに撮ります。撮影した日と書いた日が違うときは、両方を書き添えます。写真に撮ったあとも、元のノートは捨てずに保管してください。
出典・参考
きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。危険やつらさが強いときは、公的な窓口や専門家への相談もご検討ください。