何も書けない日は、空白のままでも構いません。一言だけ残せそうなら「今日は詳しく書けない」とし、書ける日に思い出した範囲を補います。三行メモは負担を減らすための型で、毎日埋める義務ではありません。

この記事の要点

  • 三行メモは任意の型です。一言だけ残す日、何も書かない日があって構いません。
  • 空白を「何もなかった」と決めつけず、推測で出来事を補いません。
  • 後日思い出したことは、出来事の日と追記日を分けて残します。
目次(9項目)
  1. 三行だけ、と決めてしまう
  2. 読み返すのは、別の日でいい
  3. 三行も難しい日は、一行か何も書かないかを選ぶ
  4. 空白を「何もなかった」と読み替えない
  5. 書ける日に、二つの日付を添えて追記する
  6. 書く以外の方法を選ぶとき
  7. きろくねでは、後から本人メモを書き足せる
  8. 記録を完成させる前に相談してよい
  9. よくある質問

何かあった直後は、うまく言葉にならないものです。順番も、理由も、あとから見ればちがって見えるかもしれません。それでも、その日の分だけ残しておくと、あとで自分を助けてくれることがあります。

三行だけ、と決めてしまう

整った文章にしようとすると、書き出せません。かわりに、次の三つだけを埋めてみてください。

  1. いつ・どこで
  2. 言われたこと(覚えている言い方のまま)
  3. そのときの気持ち(ひとことで)

音声で残せるなら、書かなくてもかまいません。対応するiPhoneでは、きろくねは端末の中だけで文字起こしをするので、あとで読める形にもできます。

「きちんと書く」よりも、「思い出せる形にしておく」。
それだけで、じゅうぶんです。

読み返すのは、別の日でいい

残すことと、見返すことは別の作業です。つらい日は閉じてしまってかまいません。記録はあなたのペースを待ってくれます。

三行も難しい日は、一行か何も書かないかを選ぶ

記録を開いたのに手が止まる日には、形式を完成させることより、今日できる範囲を小さくします。次の文は編集部が作った記入例です。自分に合うものがなければ使わなくても構いません。

  • 「今日は詳しく書けない。ここで終わりにする」
  • 「会議のあと、つらかった。内容は今は書かない」
  • 「出来事はあったが、正確な言葉を思い出せない」

最初の文だけなら、出来事があったかどうかまでは書いていません。それでも「今日は書くのをやめた」という自分の選択を表せます。ひとこと残すのも負担なら、保存せず閉じて構いません。休んだ分を翌日にまとめて書く宿題にしないようにします。

空白を「何もなかった」と読み替えない

一覧に記録がない日には、何も起きなかった、書く余裕がなかった、別の場所へ記したなど、複数の可能性があります。空白そのものから事情は分かりません。後日見返すときも、記録のない日を一律に「問題なし」とまとめないようにします。

一方、「書けなかったのだから、きっとひどいことがあった」と補うのも推測です。自分が覚えていることだけを残し、分からない日は分からないままとします。記録件数だけで出来事の回数やつらさの程度を表すことはできません。

空白の理由を人に説明したくない場合も、その理由を詳しく記す必要はありません。相談用には「この期間は記録を作成していません」と伝える方法もあります。書いていないことと、起きたことを否定することは同じではありません。説明する範囲は、そのときの目的に合わせて選べます。

書ける日に、二つの日付を添えて追記する

次は架空の例です。12月2日に「今日は詳しく書けない」とだけ残し、5日に会議の一場面を思い出したとします。

  • 12月2日のメモ:今日は詳しく書けない。
  • 12月5日の追記:2日の会議について、今覚えている範囲を書く。
  • 覚えていること:説明の途中で話が別の人へ移った。自分は最後まで説明できなかった。
  • 分からないこと:その前後の正確な言葉、発言の時刻。
  • そのときの気持ち:取り残されたように感じた。

当時の記録を消して、5日に思い出した文を2日に書いたように見せないことが大切です。後から確認した会議予定があれば、その資料と確認日を別に書きます。予定があることだけで、そこで特定の言葉があったと決められるわけではありません。

書く以外の方法を選ぶとき

声に出すほうが負担が少なければ、その日の自分の振り返りを短く録音する方法もあります。この録音は、出来事の現場の音声ではなく「後から自分が話したメモ」です。タイトルや本人メモにその違いを書いておくと、聞き返すときに混同しにくくなります。

きろくねの端末内文字起こしは、端末・OS・言語の対応や権限によって利用できない場合があります。文字にならないことを理由に同じ話を何度も録り直す必要はありません。保存した音声を残し、必要なときに短い説明を添えられます。周りに聞かれると困る状況なら、声を出す方法を選ばなくても構いません。

きろくねでは、後から本人メモを書き足せる

きろくねの記録詳細にある「編集」では、本人のメモや気持ちを書き足せます。元の一行を残し、その下に「12月5日追記」と入れる方法が使えます。編集前の本文や訂正理由が自動で履歴に残る仕組みではないため、経緯を残したい場合は自分で文中へ書きます。

書ける日が来たら、iPhone版きろくねで新しいメモを一件作り、以前の記録と同じケースへまとめても構いません。「三行を毎日書く」より、「あとから戻れる短い目印を残す」と考えると、自分の使い方を選べます。詳しい日付の区別は後から書くメモの記事でも紹介しています。

記録を完成させる前に相談してよい

人へ説明するために、空白を全部埋める必要はありません。「今はこの一件だけ話せます」「ほかはまだ整理できていません」と、手元にある範囲を伝えられます。職場の問題については、厚生労働省の総合労働相談コーナーなどの受付案内を確認できます。

この記事の記入例は、書けるときに選べる整理の方法です。記録を続ければ必ず回復するというものではありません。書くことや読み返すこと自体が負担になる日は、記録を閉じるという選択もあります。

きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。

よくある質問

一週間書けなかったら、まとめて埋めるべきですか?

埋める必要はありません。思い出せる一場面があれば作成日を添えて書き、不明な日は空白のままにできます。

「今日は書けない」とだけ残してもよいですか?

構いません。自分が今日選んだことを短く示せます。一言を書くことも負担なら、記録せず閉じることも選べます。

あとから自分の声で話して残してもよいですか?

方法の一つです。「後日、自分が振り返って話したメモ」と明示し、現場の会話の録音と区別してください。

記録が空白でも相談できますか?

記録をすべて完成させることを前提にせず、分かる一件や今困っていることから相談できます。利用する窓口の受付案内を確認してください。

出典・参考

三行のメモを思わせる三枚の無地の紙とペン

きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。危険やつらさが強いときは、公的な窓口や専門家への相談もご検討ください。