会議のあとに言われたことが頭から離れず、次は録っておこうと考えたとき、まず思い浮かぶのはiPhoneに最初から入っているボイスメモかもしれません。専用のアプリを入れた方がいいのか、ボイスメモで十分なのか。この記事では、道具の使い分けだけを扱います。
この記事の要点
- 録音して聞き返すだけなら、iPhoneのボイスメモで足りる場面は多くあります。
- ボイスメモの録音名は最初「新規録音」か現在地の名前なので、日付と場面を自分で足します。
- 元の録音は編集で上書きせず、日付入りのメモと結び付けて一本の時系列にします。
- 録ってよいか・どう扱われるかは状況によるため、会社のルールを確かめ、迷ったら相談先に聞きます。
目次(6項目)
録音の法的な扱いや、録ってよいかどうかの考え方は、パワハラの録音の扱いと残し方にまとめています。
結論:録るだけならボイスメモで足りる。困るのは、あとで並べるとき
録音を始めて、止めて、聞き返す。ここまではボイスメモで足ります。Appleのユーザガイドによると、ボイスメモはiPhone 12以降で日本語の文字起こしにも対応しています(一部の国や地域では利用できません)。
困りやすいのは、録音が三件、五件と増えてからです。録音はボイスメモに、状況のメモはメモ帳に、ホワイトボードの写真は写真アプリに、と置き場所が分かれると、どの録音がどの出来事のものかを後から結び付け直す手間が生まれます。
厚生労働省の「あかるい職場応援団」は、いつ・どこで・誰が・何をしたのかを「メモや録音など最適な方法で」記録するよう案内しています。道具を一つに決めることより、別々の記録を一本の時系列につなげられるかどうかが大切です。
ボイスメモで足りる場面・足りなくなる場面
足りる場面
- 一度きりの面談など、録音が一件だけのとき
- 録った直後に自分で聞き返し、要点をメモすれば済むとき
- 誰にも渡す予定がなく、まず手元に置いておきたいとき
足りなくなりやすい場面
- 名前から日付が分からない:録音は最初「新規録音」という名前か、位置情報サービスがオンなら現在地の名前で保存されます。同じ会議室で何度も録ると、名前だけでは区別がつきません。
- 状況のメモが別の場所にある:誰が同席していたか、録音の前後に何があったかは、音声だけでは残りません。
- 編集で元の録音が変わる:ボイスメモにはトリミングや上書き録音の機能があり、「録音を保存」を選ぶと元の録音が上書きされます。
- ほかの端末にも表示される:iCloudでボイスメモをオンにしていると、同じApple Accountでサインインしているほかの端末にも録音が表示されます。家族と共用しているiPadやMacがあるときは設定を確かめます。
使い分けの手順:ボイスメモで録って、日付順の一か所へ
いまボイスメモを使っているなら、無理に乗り換える必要はありません。次の四つを足すと、あとから並べやすくなります。
- 名前の先頭に日付と場面を入れる。録音をタップし、名前をタップすると変えられます。「0914 週次会議のあと」のように日付を先に置くと、一覧から探しやすくなります。
- 元の録音は編集しない。聞きたい部分だけを切り出したいときは、先に「複製」を作るか、編集後に「新規録音として保存」を選んで、元の録音を残します。
- その日のうちに一行メモを書く。日時、場所、同席していた人、録音の前後にあったこと。音声に入っていない部分を短く残します。
- 時系列の一か所に、録音の置き場所を書く。メモに「録音:ボイスメモ『0914 週次会議のあと』」と書いておけば、録音そのものを移さなくても出来事と結び付きます。並べ方は時系列メモの書き方にあります。
文字起こしは読み返しに便利ですが、聞き取りの誤りが混ざることがあります。大事な言葉は録音を聞き直して確かめ、文字起こしの文と、自分で聞き取った言葉を分けておきます。
録音の前に確かめておくこと
- 会社のルール:就業規則や情報管理の決まりが、社内での録音や業務情報の持ち出しに触れていることがあります。
- 録ってよいか・どう扱われるか:自分が参加した会話でも、録り方や使い方、個別の事情で扱いは異なります。迷うときは相談先や弁護士などに確かめます。
- 相手に伝えるかどうか:伝えたうえで録る方法も検討できます。伝えることで状況が悪くなりそうなら、無理をしません。
- 自分の身の安全:録音することで危険が増えると感じる場面では、録音より安全を優先します。
録音がなくても、直後に書いたメモやメール、予定表などを日時で結び付ければ、起きたことを説明する手がかりになります。録れなかったことで自分を責める必要はありません。
記録アプリを使うなら:きろくねでできること
録音とメモと写真を最初から同じ場所に置きたいなら、記録アプリを使う方法もあります。きろくねでは、ケースの中で録音・メモ・写真が日時順に並びます。録音には「何があったか」と「そのときの気持ち」を分けて書き添えられ、「出来事の日時」と「記録した日時」も別々に確認できます。
録音は端末の中で文字にでき、この機能は無料です。アプリの表示言語で認識し、その言語の端末内認識に対応したiPhoneでだけ動きます。対応していない場合も、録音はそのまま保存できます。無料で作れるケースは1つで、記録の数に上限はありません。
記録は端末の中だけに保存され、クラウド同期や自動バックアップはありません。設定で、開くときにFace IDやパスコードの確認を求めることもできます。なお、ボイスメモなどほかのアプリで録った音声ファイルを、きろくねに読み込む機能はありません。ボイスメモの録音は、手順4のように置き場所をメモに書いてつなげてください。
iPhone版きろくねをApp Storeで見る。職場の出来事を残す項目は、職場のことのまとめにもあります。
きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。
よくある質問
- ボイスメモで録った音声を、きろくねに取り込めますか?
いまのきろくねには、ほかのアプリで録った音声ファイルを読み込む機能はありません。ボイスメモの録音はそのまま残し、きろくねのメモに日付・場面・録音の名前を書いておくと、出来事と録音を結び付けて見返せます。
- きろくねの文字起こしは無料ですか?
無料で使えます。処理は端末の中で行い、アプリの表示言語の端末内認識に対応したiPhoneでだけ動きます。使えないときも録音は保存できます。聞き取りの誤りが混ざることがあるため、大事な言葉は録音を聞き直して確かめてください。
- ボイスメモと記録アプリ、どちらで録ればいいですか?
どちらでも構いません。手に取りやすい方で録り、あとで日付・場面・前後のメモと結び付けられるかが大切です。録音してよいか迷う場面では、会社のルールを確かめ、相談先や弁護士などに先に聞いてください。
出典・参考
きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。危険やつらさが強いときは、公的な窓口や専門家への相談もご検討ください。