家庭の中で、否定する言葉や監視、威圧的な態度が続くと、「自分の感じ方が間違っているのでは」と迷うことがあります。相談のために出来事を残すことは状況の整理に役立つ場合がありますが、記録することで危険が増えるなら、記録より安全を優先してください。
この記事の要点
- 記録よりも安全が最優先で、危険を感じるときは記録を中断してかまいません
- 日時・場所・言動・周囲の状況・自分への影響を、分かる範囲で残します
- 相手が端末を見られる可能性があるときは、新しい記録を残す前に安全な相談先を考えます
- DV相談ナビ(#8008)は、地域の配偶者暴力相談支援センターにつながる窓口です
結論:安全を確かめたうえで、出来事を短く時系列にする

「モラハラ」という言葉が個別の状況にどう当てはまるかは、事情によって異なります。自分で判断を確定させようとせず、相談先に起きたことを伝えられるよう、日時・場所・言動・周囲の状況を分かる範囲で整理します。ただし、相手が端末や履歴を見る可能性がある、記録していることが知られると危険になる、と感じるときは、新しい記録を残さずに安全な相談方法を先に考えましょう。
記録に残せる項目
長い文章にしなくても、1件ごとに次の項目を短く書くと、後から順番を追いやすくなります。
項目 | 残し方の例 |
|---|---|
日時・場所 | 2026年8月12日、夕食後、自宅の居間 |
言動・行動 | 言われた言葉、物を壊された、外出を妨げられた、などをできるだけ具体的に |
周囲の状況 | 子どもや家族が同席していた、電話で聞いた人がいた、など |
手元にあるもの | メッセージ、メール、写真、受診に関する書類など、すでにあるものだけ |
自分への影響 | 眠れない、食べられない、外出が怖い、受診した、など |
発言・行動という事実と、「怖かった」「混乱した」といった気持ちは、どちらも残してかまいません。相談で状況を伝えるときには、二つを分けておくと、出来事と影響の両方を説明しやすくなります。
端末の安全に不安があるとき
相手がスマートフォンやパソコンを確認する、パスコードを知っている、履歴や通知を見られるかもしれない、と感じる場合があります。そのときは、記録を増やしたり、アプリを新しく使い始めたりすることが安全とは限りません。相手に見つかる不安があることを、相談先に最初に伝えてください。安全に連絡できる方法や次の行動を一緒に考えてもらえる場合があります。
きろくねは端末の中で記録を整理する道具ですが、端末そのものに安全上の不安がある場合に使うことを勧めるものではありません。自分にとって安全かを優先して判断してください。
相談先を使う前に知っておきたいこと
配偶者やパートナーからの暴力について、どこに相談すればよいか分からないときは、内閣府のDV相談ナビに電話して、地域の配偶者暴力相談支援センターにつなぐ方法があります。全国共通の短縮番号は#8008です。利用できる時間や通話料などは、公式案内で確認してください。
法的な手続き、離婚、損害賠償などの個別の相談をしたいときは、法テラスの民事法律扶助制度を利用できる場合があります。無料法律相談には収入・資産などの条件があるため、公式案内で対象と予約方法を確認しましょう。
今すぐ危険を感じるとき
身の危険がある、けがをしている、今いる場所から離れる必要があると感じるときは、メモの整理を続けずに緊急の助けを求めてください。緊急時は110番または119番への連絡も選択肢です。危険が差し迫っていない場合でも、ひとりで抱えず、信頼できる人や公的な相談先につながることを優先してください。
よくある質問
- モラハラかどうか確信がなくても相談できますか?
相談できます。言葉の名称を確定させることより、いつ・どこで・何があったか、どんな不安や影響があるかを伝えることから始めてください。
- 相手にスマホを見られるかもしれません。記録を残してもよいですか?
記録が見つかることで危険が増えると感じるなら、無理に残さないでください。まずは相手に見つかる不安があることを相談先に伝え、安全に連絡できる方法を一緒に考えてください。
- DV相談ナビはどこにつながりますか?
全国共通番号 #8008 に電話すると、お近くの都道府県配偶者暴力相談支援センターにつながる案内があります。受付時間や利用上の注意は、内閣府の公式案内で確認してください。
- 記録が少なくても法律相談はできますか?
手元にある情報を持って相談し、何を整理すればよいかを専門家に確認する方法があります。法テラスの無料法律相談には利用条件があるため、公式案内で確認してください。
出典・参考
きろくねは記録を助ける道具です。診断・認定・法的な判断は行いません。危険やつらさが強いときは、公的な窓口や専門家への相談もご検討ください。